amazon

  • エニアグラム 自分のことが分かる本
  • エニアグラムあなたを知る9つのタイプ(基礎編)

twitter

リンク

« シンプルにしたいのよ | トップページ | 間の悪い会議 »

あの人は本当はどうしていたのだろう

この数週間。
社内のさまざまな運営方針の変更があったり、自分の仕事のくくりが変わって、自分のやりたい・やるべきことを考えようとしたり、それでも期末・期首の仕事に埋没したりと、
ああでも、どちらかというと、目の前のことに「埋没」していましたな。

苦手な仕事を1年がんばってやってきた、それで「本来自分がやるべき、自分の職名になっていた仕事」は二の次になったというかほとんどやってなかった(もちろん上司の指示のもとで)。
今年から従来の職名は解くから、「苦手な仕事」一本に集中せよ、との割り当てです。

自分の職名になってた仕事は「そんなに評価されていなかった」ということが、去年参加してた職場のワークショップでわかって、正直つらかったこともあったな。
…いや、このことは別に今回の主題ではないのです。前置き長すぎ。

私はこの数年、社内ではそんなに突っ込んだ話をしたり、我を強くして人を困らせたりとかはしないように過ごしてきました。すぐに答えを出せるものは出して、でも悩む課題は上司に相談しながらも一人で悩み、ぎりぎりまでためて、勢いで決めてきました。
それは、一緒に働く同僚にとっては「よくわからない」存在のようでした。

逆に、2年続けてきた社外のグループ活動では、社外の人に一定の礼儀を守りながらも、案外自分の我を強く出したり、すごいがんばったり、何かあれば頼って相談をしたりしてきました。
それと、自分で休日学びに行っているさまざまな場、たとえばGCDF-Japanキャリアカウンセリングコースだとか、C+F研究所のエニアグラムのセミナーでは、とてもとても元気な私でした。

さて、仕事だ。毎日の。
私は次の1年、苦手だと思うけど解決せねばならないことがいくつもある仕事にちゃんと取り組まねばならないな、と思う一方。
やりたいことはやりたいし、得意かどうかはともかく「自分も人も価値観を発見して大事にしあえる仕事」をしたい、人に向き合う仕事をしたい、そういう気持ちもずっと持っています。

人に向き合う仕事を、それこそ「日常の職場のマネジメントで」やればいいじゃんという解決策を安易に出しそうになる。でもそれはやはり本意ではないんだなぁ。どこまでも。

今の組織に来て5年目に入って、どこかで「今の仕事、今の人間関係に、塩漬けか」という逃げ腰な、ネガティブな気持ちを最近ぬぐえないでいます。
「目の前の仕事をがんばって、ある程度我慢して充実感を得ながらしがみつく」自分の仕事のスタイルが、今の結果を生んでいるかも、と思ったり。


…なかなか本論へ行きませんが。

社会人としての私の最初を形作った、今はもう鬼籍の、部門長がいます。理事にも社長にもなったけど、部長と呼んでた時代が長かったから「部長」といっておきます。
その人は、故あって若い人ばかりになってしまった40人くらいの部署を、40過ぎで一人でなんとかすることになりました。その後15年くらい、その部署を引っ張ることになります。
その人が部長になって3年目、私は新入社員でのんきに入ってきました。

その人が節目で部員に発する文章には、方向性がはっきり示されていました。「わかりづらい」文章ではありました。行間が多すぎるというか、コンセプチュアルな文章だったので、「もっと具体的に言ってくれなくてはわからない」という人は当時も居たように思います。でも私はわりと好きでした。常に新しかったから。

その人は外とのつながりが常にあって、「外へいって勉強してこい、優れたものがあったら、すぐ見に行ってこい」といっていました。
私が、組織の外へいくことをためらわない、むしろ「社外に出ることの重要性」を胸のどこかに抱える最初のきっかけは、この部長の姿勢だったな、と思います。

部長は、仕事はいつも18時に終えて、それこそペーペーの私たちくらいの年の連中や社内・社外のいろんな人と、とにかくよく飲んでました。うまいもん、たくさんおごってもらった。本人はあんまり食べずに飲んでるだけでした。
よく出張してたし、社外の人たちと研究会を主催したり、学ぶイベントを組んでしました。
あまり仕事場にいなかったなぁ、そういえば。職場の机でずっと張り付いてなにかしてるってことがあまりなかった。
居ると、当時まだあまり皆は持ってなかったパソコンで、経営数値を表計算ソフトでばりばり計算してた印象があります。

仕事場ですごいトラブルのときはさりげなく居たりしたけど、たいしたことないと「順調?」と声だけかけて、適当なところで居なくなってたなぁ。
「ずっと居なくても」いい人だった、というか「18時以降はいなくてあたりまえ」の人だった。
でも、それぞれのメンバーの支柱だったのです。
実は、今でもね。


あの人は会社でずっと何をしていたのだろう?

私たちの部署は2階にあって、4階に会社の首脳機能が集中していました。部長はよく4階にいって、話を聞いたり言ってたようで、4階の人たちがいろんなわがままや無理をいうのを、まずは歯止めをかけていた。そういうことも後からじわじわと知りました。
ペーペーの私たちには言わないことでも、すぐ下の部下(当時の課長とか)にはアタリのきついことも言ったりしてたのをたまに小耳に挟みました。


まだ20代だ30代前半だ、位の私たちには見せないところで、
あの人は何をしていたのだろう。


たとえば若かった私は、部長のこんな言葉で仕事を学びました。
・もらった書類、自分の書いた文章には、必ず日付と名前を書け。
・考えろ、考えるときは絵に描け。
・何かあったら全員とにかく集まれ。で、誰かが段取りを全員に見えるところに書け。
・まず書け。書いたら残せ。
・レジュメのない会議をするな。
・システムは、目的をもった要素のつながりだ。
・目的、背景、機能、運用(どこで動かすか)、メンバー(誰が作るか)。
 システムを作る前に、それを1枚の紙にかける位シンプルにしろ。
で、これらのことを結局私は今でもとても大事にしています。

でも、知らないことが、今になってたくさんあります。
部長から「コスト」の話をあまり聞けなかったな、とか。
もっと上の人たちとの関係、当時の組織が抱えてたこと、
私たちに伝える前にブロックしてたこと。
もしかしたらもっと自分自身がやりたかったこと。

酔ってたり酔ってなかったり、場面はいろいろだったけど、
たとえばこんなことを言ってたとき。

コンピュータにからむコストを、オレは売上のn%以下に常に抑えてる、とか。
大きな会社が子会社作って、誰かをそこの社長にさせるってことは、親会社がそいつに何をさせたいかって思惑はいろいろ考えられるから、それをよくみておかなくてはいけないんだ、とか。
外にはモノゴトに本気になるやつがそれこそたくさんいる。それは部長だの社長だのになればもっと居るんだ、とか。
オマエさんは結局モノをちゃんと考えてないだろう、とか(→ひどいよねぇ、でも今ならちゃんと聞ける)。
男の嫉妬は女のそれよりもっとアタリが厳しいんだ、とか。
やるなら負けないケンカをしろ、とか。
オマエはオマエなんだからそのまんまでいいんだ、とか。


あの時はちゃんと聴けなかったけど
あのころ、部長は毎日をどうしていたのだろう。


部長は晩年、そんなに多くを語らなくなったり、語る機会に触れられなくなりました。
働く場所がお互い変わったことが大きかった。
私が入社以来初めて別の部に異動になったとき、部を出る人に部長は必ず直接面接していたと記憶しているのに、私にはそれがなかったことにちょっとだけひっかかりました。なんて心が小さいのかしら。
部を出て初めて、怒涛の情報量と価値観の違いに面食らい、どんなに部長が自分たちを守っていたかを身をもって知りました。その数年がなかったら、今の私はなかった位の大きな経験でした。

ほどなく部長は、今が私のいる組織にいくのを断って、子会社の社長になりました。
そのあと数年で、私は今いる組織に出向になりました。
そんな風にあまり話をしない数年がすぎて突然、部長は鬼籍に入ってしまい、4年経ちました。
社長になった会社の未曾有のトラブルに1年近く、その人らしいまっすぐで真正面で誠実な対応と陣頭指揮をとって、少し落ち着いたころでした。
よく知る人はみな「戦死」だと思っています。私もそう思っています。


今なら部長に聞きたいことがたくさんあります。

私たちの知らないところで、本当はどうしていたのですか。
年ゆかぬ私たちを率いたとき、どんな思いでしたか。
あれだけ外に出ていってたのは、本当はどうしてですか。
言いたいことをわかる人が、外だともっと居ましたか。
どんなことを私たちには聴かせないでいてくれましたか。
本当は私たちのこと、どう思っていましたか。
やっていたことは、本当にやりたいことだったですか。
思いは伝わっていますか。


で、私はそれらに自分で答えを出すと。

組織で苦手な仕事を担ったときどうするか。
どうして「外へ」行こうと思ったか。
その結果得たものはなんだったか。
この後も外に出続けたいとすればこの先どうするか。
組織で何を伝え、何を伝えないか。
周囲と本気でどうつながるか。
何に勇気をふるうか。

で、私自身、本当は何が大事でどうしたいかってことなんだ。

« シンプルにしたいのよ | トップページ | 間の悪い会議 »

仕事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/32483/28743104

この記事へのトラックバック一覧です: あの人は本当はどうしていたのだろう:

« シンプルにしたいのよ | トップページ | 間の悪い会議 »